海外における税務の基本〜駐在員が個人所得税の節税に励むと会社が得をする

香港で会計事務所に勤めていた頃は、クライアントに新しい駐在員が赴任すると挨拶に出掛けていって、ついでにサービスの一環で香港の税務ルールの解説をしていました。

その時点ではピンとこなくても、将来税金のことで困ったときにこの人が相談窓口と思ってもらうことが重要。

そうそう日本では、法人の所得に対する税金を法人税、個人の所得に対する税金を所得税と呼ばれていますが、英語表記はどちらも所得税(income tax)です。

法人所得税(corporate income tax)、個人所得税(individual income tax)のように区別します。
駐在員の個人所得税

さて、最初は一生懸命説明していたんですが、どうも個人所得税の方が反応が薄い。

しばらくして気付きました。「あ、この人達は自分で個人所得税を払わないのか。」

日本企業の駐在員は「手取り保証」という計算方法で給料が決まっているケースが多いので、要は日本で働いていたときと同じ収入が貰えます。

現地で払わなければならない個人所得税は、高かろうが安かろうが会社負担が負担するので、駐在員の財布は傷まないのです。

法人所得税に対する反応も高いとは言えませんけどね。

多くの日本人駐在員は税引前利益で評価されるので、法人所得税は評価に関係ありません。

けど法人所得税は金額も大きいし、ミスって追徴課税をくらうと会社のお金が回らなくなることもあるので、ソコソコちゃんと聞いてもらえます。
節税ポイントだけでも押さえよう

多くの国では子女教育費で控除が取れる制度があります。

香港なら住宅費控除のルールがちょっと複雑。

そのほか日本ではあまり聞かない配偶者との合算申告(ジョイント申告)という制度がある国もあります。

多くの駐在員はこのような節税ポイントを知ることなく日本に帰国してしまうのでしょうが、それはちょっと危ないのではないかと思います。

まず外国で駐在していたということは、帰国後もある程度その国の専門家として扱われます。

それが綺麗さっぱり個人所得税のことを知らないというのでは、ここ一番で偉い人から質問されたときに一言も返せないということになってしまいます。

また自分は税金タダでも、現地で雇っているスタッフは自分達で税金を払って自分達で税務申告をしています。

相手の手の内を知らずに人事制度を作っても、果たして優秀なスタッフを採用できるでしょうか?

アメリカなら元祖401kの確定拠出年金プランがありますが、従業員にとってのメリットは「退職金」だけでなく「節税」にもあります。その節税の価値がどの程度のものか説明できるでしょうか?

駐在員は頑張って節税しても会社の利益になるだけですが、そこは頭を切り換えて、「この控除を使ったらいくら得するかな?」と、目を$マークにして条文を読み込むくらいの気概が欲しいなと思います。

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