フリーレントの会計処理〜この世にタダの家賃はない!

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フリーレントの悪夢

経理の立場からしてもお店のオープンは待ち遠しい。

あるお店の場合、オープンの前半年間に渡り、賃料を計上し続けました。

その金額合わせて数千万円。やっと出血が止まりました。

ただ赤字とは言っても実際にお金を支払ったわけではありません。

悪さをしたのはフリーレントと次の会計基準です。

ASC840-20

25-6 Lease incentives shall be recognized as reductions of rental expense by the lessee (reductions in rental revenue by the lessor) on a straight-line basis over the term of the new lease in accordance with paragraphs 840-20-25-1 through 25-2.

フリーレントとはその名のとおり、賃料がタダになる期間のこと。

前の記事で述べたとおり、ランドロードから貰ったインセンティブは何であれ、賃料に含めてならし計算せよということが、この基準に書かれています。

フリーレントなどはまさにインセンティブの筆頭株。

そのため、実際にはお金を支払っていないのに、会計上は賃料が発生するという現象が起きるのです。

フリーレント期間の決め方

不動産リース契約の場合、3ヶ月から、長いものになると6ヶ月にも及ぶフリーレント期間が設けられることがよくあります。

フリーレント期間の長さは物件の内装工事期間にマッチするようにランドロードとネゴします。

もしフリーレント期間が短いと、お店がオープンしてお金が入ってくる前に賃料の支払いが始まってしまいます。

キャッシュ・フローを扱う者としてはこれは失格で、もし取締役にでもバレたら怒られるか、そうでなくてもちょっとかっこ悪い話です。

不動産リースでポイントとなる日付

小売業が不動産をリースする場合、ポイントとなる日付がいくつかあります。

1. 不動産リース契約の締結日
2. ランドロードが物件をテナントに引き渡す日
3. 内装工事が終わって店舗の引渡しを受ける日
4. お店がオープンする日

一見すると「契約の締結日」が一番大切なように見えますが、実はこの日はあまり何も起きない日です。

契約の後、ランドロードとしても工事をする必要があったり、前のテナントの追い出し交渉を終える必要があったりで、すぐに物件を引き渡せるとは限りません。

そもそもテナントへの引渡しが遅れれば、契約解除となることを定めた契約さえあるくらいですから。

全ての問題がクリアーになり、物件をテナントに引き渡して初めて、契約カウンターが動き始めます。

フリーレント期間はこの日からお店がオープンする日までです。

ただしお店がオープンする前にフリーレント期間が終わってしまうこともあり得るため、そうならないようにするため内装工事業者を急かして、一刻も早く店舗を完成させないといけません。

この世にタダの家賃はない!

さて、フリーレントだけで半年、契約の日から数えると、ランドロードとしては1年近く入金なしということも起こり得ます。

フリーレントというのはそれほどまでに、ランドロードの身を削ったインセンティブと言えます。

実際、ほとんど同じ物件に対して、3ヶ月のフリーレントを呈示したランドロードと6ヶ月のフリーレントを呈示したランドロードがいた場合、ぱっと見6ヶ月の方がいいように感じるでしょう。

しかし注意してください。ランドロードは必ずフリーレント後の賃料で取り返しにきます。

ですので、フリーレント後の賃料まで見て、初めて本当はどっちが得かと言えるわけです。

この世にタダの家賃はありません。

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