在庫評価減ルールの本当の目的

この話の続きです。


在庫評価減と会計監査

最近の会計監査では在庫評価減はあまり歓迎されない流れになっています。

会社「在庫年齢が1年超の在庫は50%評価減にしようと思います。」

会計士「50%の根拠は?証拠を見せてください。」

50%の根拠を数字を使って証明するのは難しいですよ。売れた情報だけでなく売れなかった情報も合わせて数字を作り込んでいく必要がありますから。

だからといって、「会計士が駄目だと言っているから評価減を積むのは止めよう」と言うわけにはいきません。

経営者は会計士を必死に説得してでも、評価減を積ませないといけないのです。

結局それは従業員を守ることにもなるし、長くビジネスを続けていくことにも繋がります。

在庫評価減ルールの本当の目的

経営者が在庫評価減ルールを作ったということは、従業員に対して次のようなメッセージを発信しているのと同じです。

「期末が来たらこの在庫は100%評価減だぞ」

「それまでにディスカウントしてでも売ってしまった方が今年の利益は増えるぞ」

「早く利益を取りにいかないと今年の評価が下がるぞ」

この三段論法で従業員に処分販売を促すのが在庫評価減ルールの大きな目標。

それでも古い在庫を持ち越して年度を迎えてしまう場合もあります。

当然在庫は評価減されてしまいますが、このとき経営者が発信するメッセージはこう変わります。

「前期100%評価減した在庫は捨てても損にならんぞ」ここがポイント!

「捨てた方がその分保管料が減って今年の利益が増えるぞ」

「早く捨ててしまった方が今年の売れ筋の販促に集中できるぞ」

25%評価減や50%評価減の場合捨てたとき損が出ますが、損失の額は評価減前よりだいぶマイルドになります。処分を促す効果は十分にあります。

そもそも従業員の時間と体力には限りがありますから、いつまでも古い在庫を引きずってはいられません。

一日のうち7時間かけて売れない越年在庫をどう減らすかに頭を悩ませ、残り1時間で今年の売れ筋の販促プランを考える、これでは本末転倒です。

在庫評価減ルールがあると、何も言わなくても古い在庫が減り、従業員は今会社が伸ばしたい商品の売り込みに力を入れるようになります。

これが在庫評価減ルールを定める本当の目的です。

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