FXで資金が「溶ける」わけ

FXは怖くない?

FX取引を勧めるブログを見ていると、「FXは怖くない」という言葉が書かれているのが目に留まりました。

全く無責任な!

確かに、FXの構造をちゃんと分かっている人は、リスクをコントロールできるので「怖くない」と言えるかもしれません。

一方、自分がどういったポジションを取っているのか、理論的に把握できていない人にとっては、FXは「怖い」取引ですよ。

それを理解するために、まずはFXがどのような理論に基づいて取引されているのか、考えてみるのが一番です。

トルコリラを使った具体例

今回はトルコリラで考えてみます。

1万通貨単位だと金額的に面白くないので、10万通貨単位にしました。

ちょっと今のレートとは違いますが、1リラ=20円でシナリオを作ってみましょう。

証拠金は50万円とします。

FX取引は借り入れと外貨預金に置き換えることができます(←このセクションの最後まで読むと何のことか分かります)

まず200万円の円建て借り入れをして、そのお金を10万リラに換えます。

それを外貨預金に預けて利息をもらうと想定してください。

ちょっと乱暴ですが、日本の金利はかなり低いので円建て借り入れの利息をゼロ、トルコリラの預金利息は20%としましょう。

すると、10万リラ x 20% = 2万リラの利息が、1年間でもらえます。

日単位だと365日で割って、約54.8リラ≒1100円が一日にもらえる利息になります。

これがスワップポイントの原資になるんですが、大体今のレートと合っていましたか?

合っていなければ、その分FXの会社が抜いているということです。

ただしトルコリラが急落し、1リラ=15円になると、預けていたリラ建て外貨預金の価値が150万円に下がります。

このときマイナスの額が証拠金の50万円と同じになりますので、ここで強制的にロスカット。トルコリラは日本円に戻されます。

戻された日本円150万円と当初の保証金50万円の合計200万円は、円建ての借金を返済するのに充てられます。

ロスカットを食らうまでに受け取った利息を無視すれば、丁度証拠金50万円がなくなって終わった形になります。

FXで失われる資産運用の多様性

どないですか?

証拠金はなくなりましたが、別に借金を負ったわけではありません。

FXは、全然怖くなんかありませんね?

ではなぜFXで多額の資金を「溶かす」人が絶えないのでしょうか?

その質問に答えるには、FX取引が実際には借り入れと外貨預金だったとして、人がどのような行動を取るのか考えてみる必要があります。

最初の例に戻りましょう。

もしあなたの手元に50万円あるとして、それを担保に銀行から200万円借りて、借りたお金を全てトルコリラに換えて外貨預金に預けるでしょうか?

、、、これは考え方次第です。

私ならこう考えます。

借金してまで振れ幅の大きいトルコリラ預金をしようとは思わんな〜。

けどこれが、米ドル預金やったら検討してもええな。

いや、それなら借りた200万円で株式を買うた方がええんちゃうか!

外貨預金やと利息+レート変動だけやけど、株式なら会社の業績次第でそれ以上も狙える。(ただ下がる可能性も大きい)

いや、そもそも200万円なら借金しなくても手元資金でまかなえました。

FXという制約を外した瞬間、資金調達方法(借り入れか手元資金か)についても、運用方法(ドル預金、米国株)についても、様々なアイディアが湧いてきました。

FXはあくまで、借り入れ+外貨預金を組み合わせているに過ぎません。

しかしそれらが相殺され、スワップポイントだけを見せることによって、うまいこと投資家の目を実態から逸らしておったんです。

安全なはずのFXで資金を「溶かす」のは、多様な資産運用方法の中から自分に合ったものを選ぶのではなく、盲目的に「借り入れ」を行っていることにあります。

次のセクションでさらに詳しく説明します。

FXで資金が溶けるわけ

引き続き、FX取引を借り入れと外貨預金に分解して考えてみましょう。

ここでは、1000万円の日本円を借り入れて、同額を米ドルに換えたとします。

金利を2%とすると年間の利息は20万円、スワップポイントに換算すると550円/日、といったところです。

どないですか?結構儲かりますやろ?

、、、ちょっと物足りませんか?

ほな1億円の借り入れにしてみましょう。

これなら利息は年間200万円、毎月16万円超のお金が入ってきますよ。

もっと行っときますか?

おっと、ここで何の前触れもなく米ドルが5%下落しました。

1億円が9500万円になったので、500万円の損失です!

あなたの年収はおいくら万円ですか?

500万円の損失を挽回するのに、どれくらい働く必要があるのでしょうか?

「5%の下落なんて滅多にない!」と言われるかもしれませんが、2018年でもこれくらいの下落は普通にありましたよ。

(2018年1月の113円から、3月の105円まで、7%の下落)

FXというのは実態としては外貨預金という運用手段を取っているに過ぎません。

外貨預金はそれほど利益が上がる運用手段ではありません。

スワップポイントのようなちみっこい利益が毎日ちゃりーんちゃりーんするだけやと、すぐに満足できなくなります。

そうしたときFX取引でできるのは、枚数を増やして大きなポジションを持つことだけです。

そして本来持ってはいけないレベルの巨大なポジションを持って、相場急変時に資金を溶かし、退場していくのです。

普通のサラリーマンが1億円の借り入れをして米ドルに換えているシーンを想像してみてください。

「おいおい、借りた金はもっとちゃんとしたもんに使いなさい!」

思わずそう言ってしまったのではないでしょうか?

終わりに

FXは借金をしてやっているんだと考えて動けば、FXに関する事故の大半は防げるはずです。

そうした意味ではFXは全然「怖くない」取引です。

けどそうするとFXは儲けの少ない面白みのない投資になってしまうのを避けられません。

私が言いたいのは、借金をして外貨預金に預けるようなつまらない取引(FX取引)なんかやめて、株式投資を始めてみませんか?

株式投資なら借金をしなくてもやれますし、FXに負けない大きな利益も期待できますよ!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です