経理部長の仕事は社内セールス業

今年の夏、転職をし、経理部長になりました。

仕事がありません。

けど仕事は無茶苦茶しんどいです。

経理部長のお仕事

仕事がないのに仕事がしんどい、何のことかと思いますよね?

仕事がないというのは手を動かす仕事がないという意味です。

もちろん経理部長なので全社からそれなりの量の承認依頼が来ます。

しかし集中して見れば、1日のうち何時間も拘束されるような仕事ではありません。

仕事がしんどいというのは、仕事を作らないといけないからです。

仕事を作ると言っても、わざわざ課長から未処理伝票をもらってきて代わりにやってあげるというわけではありません。

将来を見据えて、スタッフごとの仕事の振り分けを考えたり、新しい教育プランを考えたり、必要な投資をしたり。

どうしてこれがしんどいのかを考えていると、やっていることがセールスに似ているからではないかと感じました。

セールスといっても社内向けではありますが、買う気のないカスタマーにモノを売り込むという点ではセールスと同じです。

スタッフを売り込む

経理スタッフ(含 マネージャー)というのは専門職であると、私は思っています。

専門職というのは、特に技能を必要としない職種に比べて高いサラリーを与える必要があります。

ところが日本の古典的なジェネラリスト教育に任せると、入社時点の評価が横一線なので、経理スタッフのサラリーはかなり抑えられてしまいます。

さらに営業職だと大口受注や予算大幅達成等、Sランクの評価を付けられるイベントがあります。

一方、経理はそういった目を引く成果が出しにくく、営業職に昇給負けしてしまうこともしばしば。

「まあこんなもんだ」と、スタッフ全員に標準点を付けているようでは経理部長失格です!

理由もなく評価を上げるのはNGですが、社内プロジェクトのキーパーソンとして売り込んだり、経理的な観点で会社の弱い部分を明確化し、その改善をスタッフの目標にしたりして、高い評価が付けられるバックグラウンドを整備することが重要です。

そして最後は経理部長の腕の見せどころ。

高い評価の理由をしっかりと上司にプレゼンする、人事部から「経理部の評価は甘い」と言われても、1回くらいは「みんな優秀やってんからしゃーないやんけ!」と突っぱねる、くらいの押し込み営業力はほしいところです。

普通の仕事を高額商品に変える

経理の中では当たり前のものでも、部外者から見ると何のことが分からないものがいっぱいあります。

例えば、経理における社内憲法とでも言うべき経理規程や勘定科目一覧。

これの定期的なアップデートがどれだけ大変か!

勘定科目を増やすと決算書が巻物(Excelで何スクロールも必要なデータ)になりますし、減らすと「あの数値使ってたのに!」というクレームが予想外の部署から飛んできます。

自分たちが当たり前と思っているものを、当たり前のままにしておくのは止めましょう!

何気なく使っているルールや、そういったルールのメンテナンスが、会社にとって重要なものかセールストークで説明して、高額商品に仕立て上げることが重要。

そうすれば、他部署との根気を詰めた協議が必要な作業も、自信を持って成果を主張できる目標に変わります。

システムを売り込む

経理スタッフになりたいという人は、今後減っていくと思います。

経理スタッフの仕事は、遠くない将来AIに取って代わられる可能性が高いので、それを見越して経理の勉強をする学生や社会人が減っていくからです。

関連記事:AIに取って代わられる仕事:経理・会計士

経理スタッフになりたい人は減っても、会社の数字をレビューしたり、数字をより付加価値の高い業務に生かしたりできる経理マネージャーは、逆にこれまで以上に求められます。

経理スタッフは入社してくれないのに、経理マネージャーを作れというのが、今後経理部長に与えられる仕事になるわけです。

そのために必要なのは一歩先回りしたシステム投資です。

経理スタッフがいなくなるのだから、省力化のためのシステム投資をするしかありません。

さらに、ブラックボックス化したシステムの構造が理解できる人を育てないといけません。

採用の仕方も変わってきますし、ジョブ・ディスクリプションを変更する必要もあります。

人を雇えば何とかなった時代しか知らない古風なマネジメントがいる会社では大変かもしれませんね。

けど人は雇えないんです。

いずれにせよシステム投資は相当のお金が動きますので、取締役クラスのマネジメントへの売り込み能力が問われます。

正論を述べるだけでなく、意思決定権者との普段からの関係構築に努めるなど、セールスマンの能力をフル動員しないといけないわけです。

終わりに

経理部長の仕事がセールスに似ている点を書き連ねてみました。

この記事が同じような課題意識を持った人の頭の整理に役立てば幸いです。

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