移転価格と贈与性〜税務調査に備えて

会社の同僚に「移転価格は分かるけど、贈与性って何?」と訊かれました。
 
「贈与性?」あまり聞き慣れない言葉ですが、すぐにピンときました。どうも税務調査が話題になっていたようです。
 
移転価格と贈与性、それぞれのコンセプト

例えば中国と香港に子会社があって、中国子会社から香港子会社にモノを売っていたとする。

中国子会社は慢性的に赤字。法人税を納めていません。

私が税務当局の調査官だったらこう言うと思います。

「香港への売値が安すぎるんじゃないですか?ちゃんとした値段で売ったら利益が出るでしょう?出た?そうしたらちゃんと法人税を納めなさい。」

こちらが移転価格の問題ですね。売価をいじって利益をどの国で出すかコントロールする方法です。香港の税率は中国より低いので、香港で利益を出した方が得。逆に調査官の立場からは、必ずツッコミを入れる必要があるポイントです。

「香港が持つべき費用を肩代わりしていませんか?さっさと香港に請求しなさい。そうしたら黒字化したでしょう?さあ法人税を払って。」

こちらは費用の肩代わりの問題。実務では案外よく起こります。

例えば親会社から偉いさんが来ると言うので良いホテルを予約したところ、そのまま子会社が支払うことになってしまったというケース。

費用の肩代わり=贈与と考えて、「そんな費用は認めません」とするのが、調査官としての正しい態度でしょう。

それでも子会社を助けたいときは

実務の中では「贈与だということは分かっている。しかしここでこの子会社を赤字にするわけにはいかない。」というジレンマを感じることがあります。
 
それなら費用の肩代わりをした側の税務申告で、その費用を外すという手があります。

税金を余計に支払うことになるので、経済合理性としては全く意味がないんですが、少なくとも合法です。これならどちらの国の税務当局も文句は言ってきません。


ただ自己否認はあまりお勧めできません。
 
赤字の子会社を助けてやろうという気持ちは分かりますが、結局問題の先送りにしかならないからです。

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