減損なしが良いこととは限らない

これはある子会社に出張していたときの話。現地の会計担当者から「うちの会社は減損損失を出したことがない」と、半ば誇らしげな報告を受けました。

そこは超優秀な子会社で、毎期しっかりした額の利益を計上してくれます。

なので誇りに思うのもごもっともという感じではありましたが、私は天邪鬼なので「ホンマにそれで良いの?」と思ってしまいます。

減損損失を出すというのは、そもそもの当初計画が甘いというケースが大半ですが、逆に減損損失を出さないような経営は「挑戦していない」ビジネスと言うこともできるからです。

新しい品揃え、新しいサービス、新しい業態をやるときはリスクは付き物。

うまくいけば大きく売上と利益が伸長しますが、よくあるのは売上だけ上がって利益が出ないことかな。そこからトライ&エラーで利益体質にしていくなんてことはいくらでもあります。

最初は全然芽が出ないのに、何年も経ってから爆発的にヒットする、そんな投資もあります。

後者は会計基準的には困ったケースですけどね。本来は長い目で見ないと投資が成功したか失敗したか分からないのに、会計基準は早め早めに損失を確定させることが求められるからです。

この点はIFRSはよくできているなと思います。一度減損損失で落とした投資も、将来ヒットすれば過去の損失を取り消して戻し入れることができるからです。

実務的には減損損失の戻し入れは滅茶苦茶めんどくさいので、経理の立場ではやりたくないのが本音です。

しかし海外事業開発から経理に移ってきた者としては、「もっと冒険しようよ」などと無責任なことを考えてしまうのです。

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