【NY5番街】エスカレーターの悪夢

マンハッタンの街には世界の大手ブランドの店が軒を連ねています。

アパレル系のブランドであれば、名だたるショッピングストリートに旗艦店をいくつも置き、ニューヨークに集まる観光客を引き寄せます。

日本人は行かないか、日本で買えるし。

しかし各ブランドの旗艦店偵察のため、そしてそもそも見ていて面白いので、私は時間があれば中を覗いてみることにしていました。

普通はお店のディスプレイや、服の陳列(ちゃんとメンテナンスされているか)といったところに目が行くと思いますが、私はあるときからお店のエスカレーターばかりチェックするようになってしまいました。

エスカレーターのメーカーはどこか?ステップの幅はどれくらい?往復ある?登りだけ?等々。

どうしてエスカレーターに興味を持つようになったのか?それは自分のお店でエスカレーターを作るのにえらい苦労したからです。

エスカレーターを作ろう

ニューヨークにお店を作る際、1階から地下に降りるエスカレーターを設置することが決まりました。

なぜニューヨークの店舗は地下に販売フロアが広がっていることが多いのでしょう?

それは地下は伝統的に家賃がタダだから。

なので1階はギリギリまで狭くして、地下に大きく販売フロアを取ったお店が沢山あります。

しかしその狭い1階だけの家賃で目の玉が飛び出るほど高いというのが、ニューヨークのニューヨークたる所以。

とは言えそれは会社の都合で、お客さんはわざわざ地下に行くより1階で買い物を済ませたいと思うもの。

そこでエスカレーターを設置して、ズドンと地下にお客さんを誘導する作戦に出ました。

発掘

私はなめていました。1階から地下に続くエスカレーターを作ろうと思ったら、地下の地面を掘らないといけないんですね。

掘ったところにスペースを作って、エスカレーターのステップを折り返す空間を作る。その空間が思いのほか大きいんです。

そして、、、マンハッタン島は掘り返すと何が出るか分からない。いえ、京都のように古い時代の埋蔵物が出てくるわけではありません。岩が出てくるんです。

岩が出てくると粉砕のための重機を地下に引き込んでバリバリやるしかありません。地下なので大きな重機は入れられません。その間他の工事はストップです。

ランドロードに作ってもらえばよかった

エスカレーターが完成しても気は抜けません。エスカレーターは役所の検査がむちゃくちゃ厳しい。いや、厳しいというより検査のアポを取るのが大変なんです。

こちらの開店予定日が迫っていても、お役所仕事で日程を融通するなんてことはありません。

ようやく完成にこぎつけてから思いました。「(エスカレーターは)ランドロードに作ってもらえばよかった。」

物件の引渡し前に、ランドロードの手配でエスカレーターを設置してもらった場合、エスカレーター代と工事代はその後の家賃に上乗せされます。

それでも全然構いません。エスカレーターのメーカーや工事業者に直接払うか、ランドロードを通じて払うかの違いです。

それよりも(工事中)岩が出たときや、(開店前)お役所とのやり取り、(開店後)エスカレーターが止まったときの対応・交渉・折衝の方がよっぽどめんどくさい。

ランドロードを通してエスカレーターを買えば、アフターも含めたやり取りはランドロードに丸投げできます。

当然ランドロードは「手間賃」見合いを上乗せしてくるので、コスト削減という観点からはバツが付きますが、エスカレーターだけは多少追加のコストがかかってもランドロードにお任せするのが良い、というのが私が経験から学んだことです。

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