【社長挨拶で読み解く株式投資】ポーラ・オルビスホールディングス

私は公認会計士なので、株を買うときに必ず財務分析をします。
短期で売買を繰り返す人にとっては、財務分析はそれほど重要ではないのかもしれませんが、やはりある程度の期間、資金を株の形で運用するのであれば、財務分析は効いてきます。
例えば借金や在庫の少ない会社は、コロナが発生してもそれを乗り切る体力があると分かります。

ただ私の場合、財務分析と同じくらい重視している情報があります。
それが会社HPに掲載されている「社長挨拶」です。
正直言って会社の景気や世間の景気には波があります。
その時々の環境に合わせるため、会社が売っている商品やサービス自体をごそっと入れ替えないといけない状況もあり得ます。
そんなときでも社長がしっかりしていると、難局を乗り切るか、少なくとも(投資で)損をしない程度に会社を建て直してくれる可能性が高まります。
HPの「社長挨拶」は、誰でも簡単にアクセスできる情報でありながら、その会社における社長の力を見るのに最適なツールでもあるのです。

それでは早速実例に当たっていきましょう。
今回はポーラ・オルビスホールディングスを題材に取りたいと思います。
ちなみに社長挨拶は会社HPのトップページ、会社情報、投資家情報(IR)のいずれかにあることが多いです。
ポーラ・オルビスホールディングスは会社情報と投資家情報の両方に社長挨拶があり、しかもそのうちの一つはトップページからリンクが貼られていました。
世の中には社長挨拶のない会社HP、つまり社長の顔が見えない会社HPもありますからね。2箇所あるというのは非常に親切です。
こちらは会社情報の方にあった社長挨拶です。

【外部リンク】ポーラ・オルビスホールディングス「ごあいさつ」

それでは上記のリンクから文章を抜粋していきます。

2019年は、「POLA」の海外事業が中国本土と韓国にて高成長を遂げ、「THREE」の海外展開においても大きく増収いたしましたが、国内事業のインバウンド売上の落ち込みをカバーすることができず、連結では減収・営業減益となりました。

この文章から分かることは、
・「POLA」の海外事業は中国本土と韓国で成功している。
・「THREE」も海外で受け入れられている。
・しかし、国内事業のインバウンド売上の落ち込みをカバーするほどではない。
ということです。

海外では成功しているけれども、それは中国本土(と韓国)であることをリスクと考える人もいるかもしれません。つまり米中の対立がさらに激しくなり、中国での売上が以前ほど望めなくなるかもしれないということです。
さらにこの会社の12月決算なので、2019年はコロナが発生する前の年度でした。その時点でインバウンド売上に落ち込みが見られたということは、何か理由があったのかもしれません。

グループの強みである「お客さまとの直接的なつながりによる高いブランドロイヤリティ」、「スキンケア領域にリソースを集中した研究開発力」、「個々のブランドが互いに強いシナジー効果を発揮するマルチバリューチェーン戦略」を更に強化し、国内の安定成長と、海外・新ブランドへの先行投資を行い、成長を加速させてまいります。

会社は、「スキンケア領域に特化する」とハッキリ表明しています。
この点を評価するかどうかが一つのポイント。私としては、自社の特徴を明確にしているので、これは良い経営判断なのではないかと思います。
「ブランド間のシナジー効果」はなんとも言えません。例えば「THREE」のお客さんに「POLA」のリンクルショットが売れるかな? 売場が違いますよね。

グループ全体の研究統括機能を担う「Multiple Intelligence Research Center(MIRC)」において、長期的発展の成長エンジンとなる化粧品の領域を超えた研究基盤の強化と、コーポレートベンチャーキャピタルや社内ベンチャー制度などの新規事業戦略により、美と健康分野における「高収益グローバル企業」を実現させ、皆さまのご期待にお応えしてまいります。

研究開発をおろそかにする会社は、やがて商品やサービスが陳腐化し、市場から退場していくことになると私は考えています。

ここだけは数字が知りたいので、決算書を覗き見してみました。
決算書によると、会社の研究開発費は約47億円でした。売上高が約2200億円なので、売上の2%超の資金を研究開発に投じていることになります。
同業他社と比較して高いのか安いのかは分かりませんが、商品代の2%を新商品の開発に回すというのは、割とバランスの取れた商品開発ポリシーを持っていると言えるのではないでしょうか。

まとめ

上記をまとめると、
・スキンケア領域に特化し、しっかりと研究開発を続けている。
・国内だけでなく海外、特に中国・韓国でも評価されている。
・インバウンド売上が落ち込んでいる。
ということが分かりました。

以上、社長挨拶から読み取れる情報をまとめてみました。ご参考になれば幸いです。
   

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