【物流KPI】M3かパレットか〜倉庫保管料の測り方

皆さんはM3(エムスリー)って何の意味か分かりますか?
 
監査法人に勤めた9年間、ついぞお目にかかることがなかった言葉です。
 
小売業に転職し、物流のことも担当するようになってから頻繁に使うようになりました。
 
立方メートルのことなんですね。『㎥』をそのままアルファベットで読み上げて「エムスリー」
 
和製英語だと思います。英語なら読み方は「キュービック・メーター」ですから。
 
この容積を表す単位が、我々小売業にとって生命線となることもあるのです。

物流契約とKPI

私が米国に赴任した当時、外部倉庫における倉庫保管料の計算はパレット建てでした。
 
パレットというのはフォークリフトで荷物を移動するときに使う荷台のことです。
 
在庫はこのパレットの上に積み上げてから倉庫の床やラックに置くので、パレットを1枚使ったらいくらというふうにして倉庫保管料を計算します。
 
しかしこの計算方法には一つ問題が。
 
パレットにたくさん積んでも、ちょっとしかモノを置かなくても、同じ料金がかかってしまうのです。
 
預ける側の立場から言うと、ぎゅうぎゅう詰めに積み上げてほしい。
 
物流会社としてはあまりにパンパンだと中のものが取り出しにくく作業効率が下がる。
 
結果として倉庫を訪問する度に、「もっとパレットに在庫を載せろ」と口を酸っぱくして言い続けることになりました。

正しいKPI設定で無駄な仕事をなくそう

物流会社に対する教育的指導は、ある非突然終焉を迎えました。
 
倉庫保管料の算定がM3建てになるよう、契約を改訂したからです。
 
物流会社としては、預かっている在庫を積み上げた方が場所の節約になって得なので、率先して効率の良い保管方法を考えるようになりました。
 
預ける側としては、物流会社がどのように在庫を保管しても料金は一緒ですが、あまり平べったく並べられると倉庫が満杯になり、別の倉庫を探さないといけなくなります。
 
そういう意味で、預ける側と物流会社の思惑が一致したことになります。
 
KPIの選び方一つで、物流会社にガミガミ言うという無駄な仕事がなくなり、逆に同じ方向を向いて仕事ができるようになったわけです。

システム対応をお忘れなく

倉庫保管料をM3で計算するためには、商品マスタにM3情報を入れて、倉庫に保管している在庫全体の容積を自動的に計算する必要があります。
 
そもそもの問題として、商品マスタにM3情報を入れる枠を作っておかないといけませんね。
 
枠を作っても、実際に情報を入力するためには、在庫一つ一つの容積を測る必要があります。
 
気の遠くなるような作業ですが、これも工夫次第で簡略化することができます。
 
例えば、物流会社は在庫の受入時に容積を測っていることもあるようです。
 
彼らにとっても保管効率を高めることは重要なので、自分たちで使うためにM3情報を取ることは確かに理に適っています。
 
もしそうであれば、物流会社の使うシステムと自分たちの会社が使う在庫システムをつなぎ込めばいい。M3情報をインターフェースすることを契約で取り決めておけば完璧です。
 
もっと上流で情報を取ることも考えられます。
 
通常在庫の保管は段ボールの箱に入れたまましますから、メーカー出荷時に容積を測っておいてもらうというのはどうでしょうか?
 
そうするとマスタ登録時に一気に情報入力を終えられますし、段ボールのサイズなんか毎回変わるものでもありませんから、言うほど手間ではないはず。
 
何にしても、こうしたことはシステムの設計段階で決めることが肝要です。
 
あとで楽ができるように、最初に頑張りましょう。

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