VALUというプラットフォーム〜二重の流動性問題

10000ドルの外貨預金をした場合

 
例えば、1ドル=100円のとき、10000ドルの外貨預金をしたとします。かかったお金は100万円です。
 
金利もいいし、将来円安になれば為替差益も狙えます。最悪アメリカに旅行にいったときにドルを引き出して使えばいいか、という考えで始めました。
 
しかしその後アメリカに旅行に行く機会はなく、しばらくほっとくうちに1ドル=80円になってしまいました。今、日本円に戻すと80万円になり、20万円の損です。
 
あるときたまたま出費がかさみ、この外貨預金を円に戻さないと子どもの入学金が払えなくなるという状況に陥りました。
 
やむを得ません。20万円の損は諦めて円に戻し、入学金を納付しました。
 

投資家目線では「売れてよかった」

 
この例では20万円の損をしてしまいました。これは確かに良いことではありません。
 
しかし子どもの入学金は支払うことはできました。手持ちのドルを売ることができたからです。
 
「そんなの当たり前だ」と言われるかもしれませんが、買い手があるからこそ売れるのです。
 
ドルと円を取引している人はそれこそ無限にいます。銀行、貿易を営む会社、それに外貨預金目的の個人まで。
 
もしそのときの実勢レートで「ドルを売りたい!」「円を売りたい!」と言えば、ほぼ確実に取引は成立するでしょう。
 

VALUを売りたいとき

 
VALUはご覧のとおり始まったばかりのサービスで、取引の数はまだそれほど多くありません。
 
1VA=1BTCと表示されていたとしても、それはあくまでも直近の取引がそうだったというだけです。
 
もし「1VAを1BTCで売りたい!」と手を挙げても、それを買ってくれる人が現れるとは限らないということです。
 
同じことがビットコインでも起こります。
 
私自身は仮想通貨の未来に対しそれほど悲観的ではなく、今後どういう広がりを見せるか、常に興味を持って見ています。
 
しかしビットコインの取引規模は、ドル、ユーロ、円のマーケットの厚みとは比ぶべくもありません。
 
これがどういうことかと言うと、ビットコインから円に戻したいと思っても、マーケットの参加者全体が同じ動きをする可能性が残っているということです。皆が「ビットコインを売りたい!」と叫んでいる状況です。
 
この場合ビットコインの買い手がいないので、価格は際限なく下落していきます。
 
欲しいときにいつでも換金できることを「流動性が高い」と表現します。
 
VALUは、VALU自身とビットコインのいずれも流動性が高いとは言えず、一度持ってしまうと何かあったときに現金に戻せないという二重の流動性リスクをはらんでいます。
 
本当にVALUが社会的に意義のあるサービスを提供しようとするなら、ドルか円でやるべきだったと思いますけどね。しかしそれは様々な事情があってできなかったのでしょう。
 

自分の知っている言葉に置き換えてみよう

 
VALUを個人に対するファンディングの仕組みと考えると、これはこれで形は成り立っています。
 
VALUを買うと発行者から何らかの「見返り」があるかもしれませんが、それは法律上の義務とはほど遠いものです。
 
こうしたものを何と言うのか?私は「寄附」という言葉を当てるのが正しいと思います。
 
そして既に発行されたVAを誰かから買うという行為は、これは私の中ではまだ「投機」です。自分の貴重なお金を託すには、収益性の見込みも安全性の確保も弱すぎます。


目新しいサービスが始まったときも、自分の知っている言葉に置き換えると理解できることがあります。

私の目立てではVALUは「寄附」と「投機」でできています。

これらは別に悪いことではなく、分かった上でやる分にはまったく問題ありません。

しかし「寄附」も「投機」もやるつもりがないなら、一切手を出さないのが賢明です。

 

一つ前の記事はこちら:VALUというプラットフォーム〜投資の対象になり得るのか?

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