【東芝監査人】引受け初年度の監査は大変なのに

これはちょっと異常事態ですね。
 

決算期の会計士は仕事を掛け持ちしているので、上場企業の監査であっても2週間程度張り付いては次の現場に向かうということが普通です。

しかし、東芝クラスの大企業になれば会計士が常駐するのが普通でしょう。ましてやこのように揉めに揉めている大変な時期に、会計士が現場を撤収するというのはあり得ない。

怪情報の可能性もありますが、もし本当だとして想像されるのはやはり金の問題か?

監査報酬というのは通常期初に決まり、そこから動くことはまずありません。

しかし特別な問題が起きて余計な調査時間がかかったときには、監査報酬を追加請求できることになっています。

日本のサービス業(含 監査法人)は、そうは言っても決められた報酬の中でやり繰りするものですが、今年の東芝の監査は明らかに時間超過でしょうからねぇ。

しかしPwCあらたは監査レポートを出さず、来年には多分さようなら。

ここで追加報酬の請求書を出して、東芝が気前よく払ってくれるかどうか。

監査引受け初年度はとにかく大変

PwCあらたは今年から東芝の監査を始めたわけですが、監査の引受け初年度というのはとにかく大変です。

監査をするのは、2016年4月1日から2017年3月31日までの1年間ですが、取引や数字は前の年から引き継がれてきます。

例えば在庫を例にとって考えると、期初にどれだけ在庫があって、期中にどれだけ仕入れ、期末にいくら残ったか分かって初めて監査が成り立ちます。

なので監査法人の変更は急にできるものではなく、前年の在庫カウントに新旧両方の監査法人が立ち会ったり(鉢合わせすると気まずい)、それどころか前任の監査法人の調書を見せてもらったりすることもあります。

余談ですが、監査がシンドイ会社を引き継ぐときは、前任監査人の表情が妙に明るいことがあります。これは危ないシグナル。

そんなこんなで監査引受け初年度は、ある意味監査を2年分くらいやるようなもの。

といって2年分の監査報酬を請求できるわけでもなく、業容拡大のための投資として新任監査法人が吸収することになります。

引受け初年度のコストを持ちながら1年で監査終了となり、追加報酬も取りっぱぐれるのであれば、PwCあらたとしては踏んだり蹴ったりでしょう。

案外来年は楽な監査になるかも?

巷では来年の監査は中堅の太陽監査法人が引き継ぐのではないかと取り沙汰されています。

「そんな小さい法人に監査ができるのか?」という声も聞こえてきますが、案外小さいがために監査はうまくいくかもしれません。

大手監査法人であれば海外子会社の監査もグループで固めてしまいますが、太陽監査法人が海外子会社の監査を自社のネットワーク内でこなすのは無理でしょう。

すると必然的に海外子会社の監査は、これまで同様海外の大手監査法人(BIG 4)に任せることになります。

しかもPwCあらたが問題としているのは、前年の決算数値についてです。

太陽監査法人が引き受ける頃には、前年の決算数値はPwCあらたが綺麗にしているので問題にならないはず。

ちょっと不真面目な書き方でしたね。けど真面目に考えてあんな会社の監査を引き受けちゃ駄目ですよ。

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